デジタルこそ、究極のアナログ。

2017年12月17日

デジタルこそ、究極のアナログ。

長いJリーグはシーズンを終了した。
優勝を果たしたチーム、悲願の昇格を成し遂げたチーム、降格をしてしまったチーム。
2017年度も様々なドラマが生まれた。
そこに筋書きはなく、思いもよらぬ出来事を受け入れながら、また次への糧としていくのであろう。

そんな中、昨日終了したE-1サッカー選手権2017(東アジア選手権)は男女共に、日本は優勝をおさめることが出来なかった。
特に男子は、ロシアW杯に向けた、メンバー争いをしていく中で、非常に重要な位置付けの大会だったに違いない。
優勝がかかる日韓戦は、立ち上がりに先制したものの、その後は、全くと言っていいほど、良いところなく、完膚なきまでやられた、、、。
1-4というスコア以上に圧倒的に内容で負けていたのではないだろうか。
ホームというアドバンテージも生かせぬままの敗退。
今回は、海外などの召集もなく、いわば国内組の最終テスト。各選手がアピールできる最高の大会だったはずだ、、、。
準備期間なども少なく、コンビネーション等、多々うまくいかない場面はあるにしろ、個人的には非常に残念な結果と言わざるを得ない
海外組を脅かしようなギラギラした選手が出てきて欲しかったというのが本音である、、、。
男女通じてこの3試合。
客観的に観て感じたことは、共通している。
圧倒的にピッチでの【リーダー】がいないこと。
もちろん、それぞれのアピールの場であることは間違いないのかもしれないが、それは勝利が最低条件である。
なぜなら、いくらテストマッチとはいえ、これは代表戦なのである。
特にアジアのライバルはどんな試合でも叩いておかなくてはならない。
女子で言えば、澤選手や宮間選手。
男子で言えば、長谷部選手。
のようなどんな状況になっても、勝利に向けて、ピッチでタクトを振れる選手がいなかったのかな。
と個人的には感じてしまった。
何にせよ、ここから何人のメンバーが本大会の切符を手にすることが出来るかはわからないが、この悔しさは次のピッチで晴らしてもらいたい。

究極のアナログへ

2017年も終わろうとしているそんな中、一通のニュースを目にした。
フットサルという競技はどれぐらい世の中に浸透しているのだろうか。
Fリーグの発足により、以前よりは認知されてきたにせよ、世の中的には、まだまだ【ミニサッカー】のイメージを持っている人は多いのではないだろうか。
コートの広さは。人数は。外でやるのか中でやるのか。靴は何を履くのか。
知らない人は多いだろう。そんな話はさておき。
フットサルをしている人なら一度は目にしたことがあるのではないだろうか。
【フットサルナビ】
という唯一のフットサル専門雑誌。
以前は、【PIVO】(廃刊)という雑誌と2誌あったわけだが、2018年度1月号をもってフットサルナビも休刊の運びとなった。
http://futsal-navi.jp/post-4167/
2004年の発刊から13年の歴史に幕を閉じることとなった。
私自身も分野は全く違えど、出版業に関わる身としては、この休刊には致し方ない部分を感じることができる。
これだけデジタル化が進む世の中において、雑誌の出版を行うことのメリットは確実に減っている、、、。
正しい情報をいち早く、臨場感溢れる形でお届けすることが、雑誌のメリットでもあるが、今や情報はほとんどインターネットを通じて知ることが出来る。
それもリアルタイムでその情報は流れ、試合などがあればそのレビューも動画もすぐに得ることが出来る。
雑誌の収益は主に部数。
それ以外にも広告収入(タイアップ記事なども含め)などもあるが、これは購買部数が増えなければ、広告は普通増えない、、、。
そのわりに、記事(インタビューなど含め)を書くことは時間もお金もかかる。
そして、何より雑誌(書籍)を製作することには、コストは非常にかかる。

何十万人に、一気に情報を配信できるインターネットとは訳が違うのだ。
本を作り上げるには、何度も何度も校正をした記事が必要で、写真が必要で情報が必要で企画も必要。
製作するには、紙が必要で、製本が必要で、インクが必要で、印刷するにはたくさんの機械を回さなくてはならない。
そこには多くの人件費もかかる。
沢山の人たちに届けるためには、沢山刷らなくてはならない。
それを世に知らせるためには、宣伝が必要で、その為には書店に交渉し、沢山本を置いてもらえるよう交渉しなくてはならない。
今や、年々書店も減少してきている、、、。
そして、売れるかどうかもわかないものを沢山作っておかなくてはならない、、、。
(立ち読みで終わってしまえばそれまでだ、、、。)
その場で記事を書いて、インタビューして、少し編集を加え、即座に配信する。ということは出来ない。

要するに、雑誌(書籍)を出すメリットはどこにもないということになる。
それは寂しいことではあるが、仕方のないことである。痛いほどにわかる。

それでも、私自身は、自分たちの手掛けたものを本にする(形に残す)。
ということに意味はあると感じている。
しかし、それを仕事にしているものは、生き残るには、【時代に順応】しなくてはならない。

2018年、益々デジタル化は進むだろう。
こうして私自信もインターネットを通じてこのコラムを届けている。
なかなかそれについていくことは大変だ。
むしろ、私なんかほとんど置いていかれているだろう、、、。

スポーツの世界でもデジタル化は進み、ついにサッカーでも【ビデオ判定】がどんどんと普及し始めている。
これには賛否両論分かれていて、私自身もなんともいえないところではある。
ただ一つ言えることは、試合の流れ、臨場感が損なわれるようなことはしてほしくない。
審判には、益々高い技術が求められ、なかなか酷なことではあるが、それが全体のレベルアップとなるなら致し方ないことなのだろう。

【昔の方が良かった。】
【昔はこうだったのに、、、。】

と言っていては、時代に取り残されてしまう。

スポーツ界においても、【ローテク(アナログ)からハイテク(デジタル)へ】
時代は確実に進化している。

しかし、どんなにハイテクな機会を作っても、それを作り上げるのは、結局人間であることに間違いはない。
ロボットが何もかもしてくれる時代になるかもしれない。
しかし、そのロボットを作り上げるのは人間自身である。

人間は究極のアナログであり、デジタルこそ究極のアナログなのだ。

2017年の年の瀬。
一つの雑誌の休刊からそんなことを感じずにはいられなかった、、、。

2018年、皆様にとってどんな年になるのか。
デジタルとは。アナログとは。
スポーツ界には何が起きるのか。
そんなことを考えてみては如何でしょうか。

色んな縁が重なり始めさせてもらったコラムも気付けば、もう1年。
如何でしたでしょうか。

少しでも多くの方に読んで頂けたら幸いです。

2018年も宜しくお願い致します。

2017年12月17日
中村昌哉

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