数値から得るヒント。

2018年06月17日

数値から得るヒント。

いよいよ開幕したロシアワールドカップ。
4年に一度の祭典にサッカー人生の全てを賭ける。
そう言っても過言でないのが、サッカーワールドカップである。
国同士の意地とプライドを賭けた最高峰の戦いには、心打たれるものがある。
衝撃的な開幕戦から、現在までに実に8試合が消化された。
どの試合も見ごたえがあり、熱い試合ばかりだ。
そして、今回注目されているのは、初めて導入されているビデオ・アシスタント・レフェリー制(VAR)。
既に欧州のリーグ戦などでは、導入されているもので、要するに【試合を決定づけるようなプレーが行われた際に、別室で様々なモニターでプレーを検証し、主審がビデオ判定を用いてジャッジするもの】である。
賛否両論の中、採用されているVARはフランス対オーストラリア戦で早速、物議を醸し出した。
VARによって、フランスにPKの判定が下された。
結果的に、2-1でフランスが勝利し、VARが勝敗を左右することとなった。
逆に他の試合では、PA内でのハンドがあったように見えたシーンではVARは採用されなかった。
あくまで、現場でジャッジする審判の判断を尊重する。という主旨のものだろう。
観ている側からすると少々混乱するところもあるが、これも時代の流れ。
より、良い方向にサッカーが進化してくれたらそれでいい。見守っていきたい。

今大会は、実に面白い試合が多い。
まだ、8試合しか終わっていないが、早くも優勝争いは混沌としそうな予感がある。

まず、ダークホースになりえるのは、開催国のロシア。
サウジアラビアとの対戦とはいえ、5-0の快勝。
開催国のアドバンテージを考えると非常に不気味な存在である。
まさに一致団結とはこのことで、国中が一つになり戦っている。
この4年間、この大会のために準備してきたんだ、という思いがひしひしと伝わってくる。
楽なグループはないが、冷静にみると、Aグループは比較的、抜けやすいグループであることはわかる。
エジプト対ウルグアイの試合を観ても、エジプトの絶対的エース、サラーが本調子ではなく、出場できるか微妙なところをみると、ロシア、ウルグアイが優勢とみている。
ただ、エジプトも侮れない。
見事なまでに統率されたラインディフェンスは90分間集中を切らすことなく戦い抜いた。
最後の最後で、セットプレーからウルグアイのセンターバックヒメネスに頭で押し込まれ万事休す。
敗戦はしたものの、グループリーグを考えるとまだまだ可能性はある。
一方、勝利したウルグアイは辛くも勝ち点3。
しかし、ワールドカップは内容よりも結果。
このウルグアイの選手たちは本当に気迫がある。
特に、キャプテンのゴディン。
おそらく空中戦は一度も負けていない、、、。
そして後半になっても果敢に相手の縦パスをインターセプトする姿勢。
ポジショニング、読み。素晴らしいディフェンダーである。

データで見る

一方で、今の時代はほんとに凄くて、色んなデータを瞬時に解析することができる。
例えばこの試合で言えば、若干20歳のユベントス所属のベンタクール(6番の選手)は93.1%という驚異的なパス成功率を記録している。
もちろん、MF,FWの出場選手の中で90%を超える選手はいない。
逆に伝説的な試合となったスペイン対ポルトガル。
この試合はほんとに物凄くて、まさに現代サッカーの象徴のような試合で、効果的なパス回しを続けるスペインと縦に効果的なパスを入れ、鋭いカウンターで襲い掛かるポルトガル。
自分自身、指導者でもないし、評論家でも解説者でもない。
ただ一人のサッカーファンに過ぎない。
現代サッカーがどうとか、トレンドがどうとか、フォーメーションがどうとか、どうでもいい。
面白いサッカーが観れればそれでいい。
しかし、このデータ解析は見ていると実に面白い。
上記で挙げたエジプト対ウルグアイではパス成功率90%を超えたのは2人だけ(もう一人はウルグアイのDF)。
一方でスペインは、なんとスタメン10人(GKは除く)中、8人が90%超えという驚異的な数値を上げている。
しかも、残り2人に関しても、85%を超え、FWの選手である。
FWの選手は勝負のパスを出すわけだから、90%以上の数値を出すことは相当難しい。
他の国の選手でFWが85%を超えることはほとんどない。
それ以上にスペインが凄いのは、パスの本数。
ポルトガルを相手に実に【759】のパスを出している。
驚くべきはその成功率で、92.2%という数値を叩き出している。
あくまで、8試合を消化している中でのデータに過ぎないが、参考までに次に多いのはアルゼンチンで【752】、しかしアルゼンチンの相手はアイスランド。元々、ラインも低く、徹底した守備ブロックを作って戦う相手だけに、スペインの数値とはパスを回す位置は若干異なる。
次が、だいぶ離れて、ウルグアイで【588】、成功率は85.5%である。
スペインの対戦相手ポルトガルに至っては【372】本のパスしか出していない。

でも、サッカーが実に面白いな、と思うのはここ。
結果は、スペイン対ポルトガルが3-3、アルゼンチン対アイスランドは1-1である。
アルゼンチンのボール支配率は、89.6%

ワールドカップは結果が全てである。
ということを物語っているのではないだろうか。
なんとなく、日本の勝機はこの数値からヒントがあるように思えてならない。

今大会、そんな数値にも、注目して観て見たい。
これからどんなドラマがあるのか。
その裏にはどんな数値が隠れているのか。
ワールドカップの楽しみはまた一つ増えた。

いかがでしたか、中村昌哉コラボコラム?中村昌哉コラムについてはこちらから


新着フットサルウェア